星の王子さま

― Pattern ――

この夏やっと「Pattern」という曲を仕上げた
歌詞を書いたのは4年前
当初弾き語りに近い簡単な録音をsoundcloudにあげ、昨年からFrozen Dust Duoのお二人とライブでの演奏を重ねてきた

この曲のなりたちは少々興味深い
まず詞ができた
それからその詞を紙に印刷し、それを手にもちマイクの前に立ち一発どりで節をつけた
自分がピアノで弾いた伴奏を聴きながら即興で節をつけて朗読したのだ

この方法が案外気に入って、その後もいくつかの曲にこの方法でメロディともつかぬ節をつけている

厳冬の生駒
森の奥の小さな池
表面に羽のような紋様を描き出した氷のひび割れ
大天使が降り立った瞬間のような聖なる静謐
そこから曲がはじまる
月夜のかわべり 弦が奏でる音楽
恋に落ちた男女
そしてすれ違い
厚い壁のむこう側とこちら側で気持ちを通じ合わそうともがくようなもどかしさ
去っていく背中をただ見つめる孤独
小さな寝言に耳をすませるようながまん強い愛情
そして別れ
そして時を超え再びあの浜へと漕ぎ出す
小さな王子さまにキツネが教えてくれたこと
「きみは、なつかせたもの、絆を結んだものには、永遠に責任を持つんだ」
「ぼくは、ぼくのバラに、責任がある・・・」

バラをなつかせた王子さま
王子さまになついたキツネ
王子さまをなつかせたパイロット
なつかせたから、絆を結んだから、世界でひとつだけの存在になる
そうすると、金色に輝く小麦を見ただけで、麦畑をわたっていく風の音を聞いただけで、きみを思い出す、きみを好きだという気持ちを思い出す

私がなつかせた存在は
私をなつかせた存在は
私の中で生きていく

さて、
写真は我が家の猫ミーちゃん
御年23歳
人間に換算すると100歳をゆうに超えている

歯はほとんど抜け
徘徊気味に家の中をうろちょろ
好物はカマンベール入りベビーチーズ
歯槽膿漏のお口のくちゃさも慣れてしまえば気にならない

先日作太郎ハウスを訪れたnonsugarくんがミーちゃんを見て
「こんなキレイな猫見たことがない」と言ってくれた

気品があって気位の高いプリンセスミー
どこか星の王子さまに出てくるバラを思わせる

品があって気位の高いプリンセスミー
どこか星の王子さまに出てくるバラを思わせる

編集後記:2021年2月に安らかに虹の橋へと旅立ちました