Oneness
― Oneness ―

作太郎ハウス屋根裏部屋 1999年

スキューバで海底15メートルに潜った体験を思い返している
意識が下へ下へと向く中 上を見てごらんというジェスチャー
小さな気泡は海面へ向かってしだいに膨らみを増し 上昇していく
私の体から視界の届かない先にある海面へ
私のいるこの世界と異次元がつながるイメージ
距離も
時間も
次元も超えて
つながれるという想像
この世界で個を認識するための名前や物質的身体
そういったものがおそらくないであろう世界で無数の魂の中から何を頼りに互いを探せばよいのか

冬の冷たい夜風を切って自転車を走らせた感覚
葉っぱの上の水滴が美しいと感じた瞬間

ある瞬間ふたつの魂だけが共有した思い出 感覚を頼りにあなたを探し出せる気がする
   




― 一日の終わり ―

大阪の堂島で働いていた私は渡辺橋駅の代わりによく中之島駅まで歩いた
夕焼けの中之島公会堂を眺められる河べりに腰を下ろす
対岸のレストランはディナー客を迎える準備を始める頃
人もカラスもお家へ帰っていく

夕暮れ時は何だか恐ろしい
酒やいかがわしい店や何だか怪しい黒服の男たちが現れる前に
子供は早く家へ帰った方がいい気がした

団地の3号棟と4号棟の間にあった公園 大きな木
いじめっ子が木の下を自転車でぐるぐる回っている
もうお腹が空いたし帰りたいのに降りられない
お母さんに会いたい
泣きたい気持ち

なぜ子供時代の思い出はいつも夕暮れ時なのだろう

   


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